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研究室基本情報

専門研究分野:理論生命科学、計算構造生物学、量子生物学
研究テーマ:コンピュータを用いた生命現象のボトムアップ的シミュレーション

 


 本研究室では、主にコンピュータによる生体分子系のシミュレーションを行うことにより、生理条件下での蛋白質や核酸、それらのリガンド分子等も含めた複合系の電子状態、安定構造、動的振舞いなどをできるだけ第一原理的(経験的知識に頼らず)に解析し、機能予測や分子設計などに役立てることを目指しています。
より具体的には、これら巨大分子系に対する分子軌道計算、分子動力学計算などを行い、相互作用エネルギーや電子密度、エネルギー極小状態の近傍の構造ゆらぎや化学反応の速度定数、各種物性値などを計算するための方法論・ソフトウェアの開発と、それらによる生活習慣病や遺伝病・感染症などの疾患や薬剤設計、化学物質汚染などに本質的に関わる生体高分子の機能解析とを行っています。

近年のコンピュータと計算化学的手法の進歩により、最近では千残基を超えるような(しかも金属を含む)巨大な蛋白質系の第一原理的(非経験的)電子状態計算も可能となっています。こうした状況を踏まえ、研究室内外のPCクラスタや大型並列計算機等を活用して世界最先端の大規模計算を進めています。

現在、研究室は2010年4月に新設された神戸大学大学院システム情報学研究科計算科学専攻の計算生物学講座として、学内外の連携も進めつつ、これらの生体高分子計算技術を医療・創薬・環境などの幅広い分野の実用的な問題の解決に役立てることを目指して活動を行っています。

 


 

(具体的な研究テーマの例)

● フラグメント分子軌道法の開発と応用
● 量子モンテカルロ法の開発と応用
● 生体分子系における核量子効果の解析
● 生体高分子の第一原理的構造予測
● 生体分子間相互作用に対する水・イオンの効果の解析
● 大規模系の長時間ダイナミクス解析のための粗視化シミュレーション手法の開発
● 生活習慣病を初めとする各種疾患に関わる蛋白質(核内受容体、P450等)の機能解析
● 環境汚染化学物質や重金属の生体影響モデリング(計算分子毒性学)
● 電磁波・放射線の生体影響モデリング
● 核酸ならびに核酸結合蛋白質の機能解析
● 生体高分子・ナノマテリアルに関わる化学反応・電子移動・エネルギー移動理論
● ウイルス等を対象とした生体分子進化論
● 光合成系の in silico 再構築
● 酵素の合理的デザイン
● 構造ベース計算創薬
● 生体分子を用いたナノデバイスの理論解析と設計(バイオナノテクノロジー)
● 大学をハブとした市民科学支援(サイエンスショップ、サイエンスカフェ等)の展開


 

(メッセージ)

 本研究室では、生物の機能や生命の仕組みを分子レベルからコンピュータを用いてボトムアップ的に再構築・解明することを目指しています。シュレディンガー方程式やニュートン方程式といった物理学の基礎方程式を生体高分子系に対して解き、できるだけ恣意性なしに生命現象にアプローチします。
そして、これらの理論的モデリングを通して、各種疾患メカニズムの解明や薬剤の設計、環境化学物質の影響予測などに役立てています。

今、科学技術の世界は色々な意味で大きな転換点に差し掛かっています。これをポジティブにとらえると、若い皆さんは独自の全く新しい学問領域を自分自身の手で切り拓くことのできる幸せな時代に生きていると言えます。本研究室は、そういった皆さんの果敢なチャレンジを歓迎します。

大学院修士・博士課程への進学やポスドク採用など、当研究室にご関心をお持ちの方は、田中宛にご連絡ください。


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